一番危険なのは歯科医

実は歯科アマルガムの水銀蒸気の影響を一番受けているのは歯科医です。

歯科のアマルガムを防御なしに削り取ることで、患者さんだけでなく、歯科医療に関わるスタッフ全員が水銀蒸気を吸っています。

一般の方の平均的な尿中アマルガムの量は0-5μg/mlですが、歯科医の尿中アマルガムの量は30μg/ml以上、全体の1.3%の歯科医の尿中アマルガムの量は 100μg/ml以上 という報告があります。

このようなお話を聞くと、自分の歯の中にアマルガムが入っている方は、すぐにでも歯科医に行って、自分のアマルガムを削り取ってもらいたいという思いに駆られるかもしれません。

外す時が一番危険

でも、慎重になってください。

アマルガムは詰める時、はずすときに最も水銀が蒸散します。
特に、アマルガムが複数の歯にはいっている方は危険です。

除去時に完全な防護を行わないと、患者、術者ともに体内に水銀が大量に入ってきます。

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(M. Silver amalgam: An unstable material. Danish Dental Journal October 1989)

これは、アマルガムを刺激すると出てくる水銀量のグラフです。
アマルガムから特に水銀が多く放出されるのは、歯科処置の時なのです。

どんなに防護をしても、多少の水銀は体内に入るのは避けられないだろうということで、スウェーデンの歯科協会では、1本のアマルガム除去から次のアマルガム除去までに2週間あけるというガイドラインがあります。

最近、あわてて防護をせずにアマルガム除去を行い、具合が悪くなっている方がいらっしゃるそうです。

アマルガム除去を行う場合は、是非2つの事を覚えておいてください。

1つ目は、安全なアマルガム除去を行っている歯科医で除去をしてもらうこと。

安全なアマルガム除去を行っている歯科クリニックはこちら

2つ目は、栄養学の知識を学んでおくことです。

なぜ、アマルガムの除去をするのに栄養学を学ぶ必要があるの?

なぜなら、分子栄養学をはじめとした栄養学、特にミネラル代謝についての知識がないと、重金属の害についての理解が出来ないからです。

亜鉛や銅、マグネシウムなどの必須ミネラルは体内で重金属と拮抗します。
だから、ミネラル代謝異常の症状と重金属蓄積の症状は相関します。

また、重金属を体から除去する治療は、必須ミネラルをも一部除去する事になります。
重金属だけを抜いてそれで終了という話ではありません。

患者さんの治療のゴールをちゃんと描き、そこに向けてのガイドを作れない治療家は、患者さんの治療に関わることはできません。

「よし、わかった。  
アマルガムは危険なんだな!   
じゃあ、早速、アマルガムは全部はずそう。」

これが、一番危険なパターンです。

「なぜ、アマルガムを除去しなくてはならないのか?」
「アマルガムがあることで口腔内や全身にどのような影響があるのか?」
「アマルガムを除去する事で得られる結果が、患者さんの希望に沿うものなのか?」

これらを把握せずに、アマルガムだけを除去しても意味がないのです。

「中途半端な知識でとりあえずの治療を行うこと」はさけなければいけません。

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なんでアマルガムをとるのに栄養学を学ぶ必要があるの? という方は、こちら

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