鈴木形成外科

今後の課題とこれからの夢


「持ち得る栄養学の知識をすべて注ぎ込んだCHOICEを多くの方に知って頂きたいです」

先生にとって、分子栄養学を分かりやすい形で表したものはありますか?

クリニックに付属してレストランを併設できたらいいな、という漠然とした考えは以前からありました。治療と並行して行うメディカルエステとともに、からだの中からきれいになれるレストランがあればいいなという漠然としたものでした。2011年の1月にクリニックビルを改装する際には、それを具体化するつもりはありませんでした。しかし、着工後2か月あまりの震災をきっかけにクリニックとメディカルエステと連携させる形で食について考え、伝える何らかの施設を併設したいと考えるようになりました。2年8か月の長い準備期間を経て、 “食”についてのコダワリを追求した結果、現在のような形でCHOICEをオープンすることになりました(当院の1階にオープンしています)。

画像の説明
レストランCHOICE前にて

レストランCHOICEをオープンするにあたり、どうやって分子栄養学的な側面を取り入れるか、当院のスタッフも含めてかなり長い時間をかけて検討してきました。中心となる考え方は、本当に身体に良いもの、安全第一のお料理を提供することです。まずは牛乳を含む乳製品や、卵、はちみつなどの動物性食品は一切使用しないこと、つまりVeganの考え方ですね。それから、当然のことながら肉は取り入れていませんが、魚については少し悩みました。魚に含まれるω3脂肪酸は身体に良さそうに見えたからです。しかし魚には水銀が含有されていますし、放射能汚染の可能性もあります。本当に身体に安全であるかの確証が持てなかったのです。

また、この過程ではマクロビオテックという考え方についても勉強しました。マクロビオテックとは、正食、玄米菜食・穀物菜食・自然食などとも呼ばれることもありますが、玄米を主食・野菜や乾物を副食としており、生の食物は食べない、果物は食べない、調味料は4種に限られる、などという食事療法です。科学的に疑問に思うところや、おいしさの面からも受け入れられない部分もありました。でも、マクロビオティックの中の白砂糖は使わない、一物全体をいただく、近くで摂れたもの、旬のものをいただく、という考えは素晴らしく、CHOICEの料理の基本の考えになっています。生の野菜をたくさん食べる、精製されたものは使わない。精製されたものとは白砂糖や穀類だけでなく、油がその最たるもの、という考えはMcDougall先生の教えでもあります。

CHOICEの料理はMcDougall先生のPlant Based Whole Foods、鶴見隆史先生の酵素栄養学が大きな影響を与えています。植物は全体でバランスのとれた栄養素のパッケージになっています。精製するほどに、大切な栄養を失って行ってしまいます。砂糖や油、白い小麦粉のように、栄養素がなくなり、カロリーだけ残ったものになってしまいます。このようなもの(empty calorie)は食品とは言えず、毒、よくて薬、とMcDougall先生はおっしゃいます。でも、中には手を加えた方が栄養素を引き出せる食材、生のままでは毒になてしまう食材もあります。鶴見隆史先生にはこのようなことを具体的に教えていただき、CHOICEの料理に活かさせてもらっています。

たとえば、玄米の炊き方。精製する前の玄米は“タネ”そのものです。種には発芽抑制物質が働いています。これを身体に長期間入れることで、発芽抑制物質が酵素を抑制し、癌などの病気の原因になってしまうのです。しかし玄米を発芽させた“発芽玄米”であれば、“タネ”に含まれていた発芽抑制物質が解除されるので、身体にはとても良い食べ物になるのです。さらに、玄米は圧力鍋で炊きません。



「食材だけではなく、調理器具や調理方法まで、全てがコダワリです」

レストランCHOICEにおける、先生のコダワリはありますか?

例えば、健康食を謳っている飲食店であればどこでも、食材には色々とコダワリがあると思います。まずCHOICEでの食材へのコダワリですが、前述の通り牛乳を含む乳製品、肉、魚、卵は使わず、野菜は無農薬、調味料は発酵させた本物を使い、甘味料や塩分も精製されていないものを使用しています。例えば、CHOICEでは「糖質革命」という甘味料を使用しています。これは中国の羅漢果という植物から作られる甘味料で、砂糖の400倍も甘く、GI値が非常に低いため血糖を上昇させないという効果もあります。精製された白砂糖よりも数段健康的で、身体にとって安全な甘味料です。

それから調理方法に関しては、揚げ物はしない、圧力釜は使わない(高温に加熱することや圧力をかけることでアミノ酸や脂肪酸と糖がメイラード反応を起こし(糖化)、アスパラギンと糖からは神経毒性や発癌性があるアクリルアミドという有害物質ができます。)ことにしています。さらに調理器具に関していえば、電子レンジやIHの調理器具は、食材を構成する細胞の分子の状態を変化させることで食材を加熱した状態にしていますので、これは未知の世界でもあるため全く使用しません。この様に、CHOICEでは、食材だけではなく、調理方法や調理器具までコダワリを持っています。これらは全て、本当に身体に安全なものを食べて頂きたいという私やスタッフの思いからです。

また、CHOICEではお料理を提供するだけではなく、食べ物や環境と健康や病気との関係を分かりやすく解説した冊子や書物、まんが、DVDなどを閲覧しながらお食事を楽しんで頂けるように工夫しています。

レストランCHOICE 関留マネージャーと

加えて、定期、不定期に、一般の皆様に向けての講習会も開催しています。店舗内ではプロジェクターで映像を流しながら様々な講義を行うこともできますし、店舗奥にはデモキッチンがあり、皆さまに実際の調理をお見せしながらのクッキングショーを見て、出来上がった料理を召し上がっていただくクッキング教室を開催しています。さらに、私がこれまで開発に関わった、メディカルエステの考えに基づいた化粧品やサプリメントを、手に取ってご覧いただくこともできます。

私や当院スタッフの英知が詰まったCHOICEを、より多くの方に知っていただき、身体が本来持っている健康と美しさを手に入れて頂きたいと思います。



「身体に悪いものを取り除き、本当に身体に良いものを取り入れる、これが全身状態を改善する第一歩です」

これからの医科歯科連携診療や分子栄養学に対する考え方を教えて下さい

食はすべて、自分の身体に返ってきます。身体に良いもの、おいしいものを食べることは、身体の全身状態を整える近道であると考えています。それから、食べ物が通る口、口腔ケアについてももっと正しい知識を伝達していく必要があるかもしれません。現在のところ、当院と医科歯科連携診療を実践している歯科医院は、まだほんのわずかです。しかも当院から遠く、兵庫県や奈良県にあります。先生方はとても信頼のおける方たちなのですが、患者様の負担を考えると、もっと当院や患者様のご自宅に近いような地域に、医科歯科連携診療が可能な歯科医院があると良いと思っています。

また、患者様にも栄養指導などの際にお話していることですが、「身体に良いものを取り入れる」ことと同時に「身体に悪いものは取り除く」ことの重要性を、もっと多くの人に知って頂きたいです。その上で様々な食物やサプリメントの摂取、メディカルエステ、形成外科的手術を行うことで、その人が本来持っている美しさを手に入れて頂きたいと願っています。


<クリニックホームページ>
http://haruesuzuki.com/


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