MTHFRスクリーニング検査(医療関係者向け)

ある日、私の同僚の一人からこんな質問が寄せられました。

point036_06 質問:
ベン先生のMTHFRサイトを拝見しましたが、少し分からない箇所があるので教えて下さい。
ホモシステインの測定検査は、全ての患者に適応すべきなのでしょうか?
或いは、うつ病や心血管疾患などの家族既往歴がある患者に対してのみ行えばよいですか?

point036_06 答え:
MTHFR遺伝子に変異が見つかった患者全員がホモシステイン高値とは限りません。
特に、MTHFR遺伝子変異が1つの人(ヘテロ/異型接合体)で、
正しい食事療法やサプリメント摂取 している人では、数値が安定していることも多いです。

MTHFRスクリーニングのはあくまでもツールの1つのであり、絶対的な方法という訳ではありません。
完璧なプロトコルというのもまだ確立されていませんし、
一般的な医療関係者からの関心も低く、残念ながら無視されているケースも多々見受けられます。

 

point036_06 MTHFRスクリーニングを必ず実施した方が良い患者の例
・妊娠、出産前ケアとしての検査:男女両方ともに実施
・うつや不安、イライラ、激しい感情の起伏、統合失調症
・MTHFR遺伝子異常が見られた両親から生まれた小児の双極性障害
・MTHFR遺伝子異常が見つかった患者の家族、血縁者
・葉酸塩(folate)高値:メチル化できないため5-MTHFが活性化されない、
・ホモシステイン高値:活性化5-MTHFとメチルコバラミン低下のため
・S‐アデノシルホモシステイン高値:活性化5-MTHFとメチルコバラミン低下のため
・血清コバラミン高値:メチレートコバラミン(methylate cyanocobalamin)からメチルコバラミ
ンへの変換能低下のため
・メチルマロン酸高値:メチルコバラミン欠乏のため
・過敏性腸症候群(IBS)、薬物・化学物質過敏症、線維筋痛症、ダウン症、慢性疲労症候群の患者
・神経障害:多発性硬化症、自閉症、アルツハイマー、てんかん、パーキンソンなど
・がん:家族に既往のある人、および、現在がん治療中の患者
・子宮頚部異形成
・不妊
・家族の中に、心血管系疾患のリスクが高い人:脳梗塞、塞栓症、心臓発作、血餅、原発性高血圧
症の既往がある人
・先天性異常:口蓋裂、ファロー四徴症、二分脊椎症、正中線が超えられない(身体両側の協調、
正中線交叉の障害)
・薬剤(化学物質)過敏症:メトトレキサート、抗てんかん剤、亜酸化窒素、麻酔薬

スクリーニングすべき人が多いからといって慌てふためく必要はありません。

677番と1298番のMTHFR遺伝子変異を調べるための検査は150~200ドル程度です。
辛い難病や検査精神的苦痛を伴う治療から一刻も早く抜け出し、流産をも防ぐためと思えば安い金
額です。

つい数年前まで、ビタミンD3欠乏を測るための検査は殆ど認知されていませんでしたし、
それほど 重要視されてもいませんでした。

血中ビタミンD3を検査する意義を正しく理解している関係者がほぼ皆無であったため、
この検査は実施されず、そのために沢山の患者が様々な病気のリスクに晒され、
症状で苦しみ続け るしかかなったことはとても悲しい事実です。

・骨折
・骨粗鬆症
・うつ
・社会性不安障害(SAD)
・がん など…

今日ではビタミンD検査も広く普及するようになりました。
たった60ドルの金額ですから、年に1,2回受けて自分の数値をモニタリングしている人も増えてきまし
た。

 

その一方で、MTHFR遺伝子テストは一生のうち1回受ければ済む検査です。

これまでは、ドクターズデータ社のメチレーションプロファイルを推奨していましたが、
Health Diagnostics and Research Institute社のメチレーション検査の方がより内容が多岐にわ
たり、色々な種類の葉酸やSAM、SAH、グルタチオンを始めとした詳細な項目をカバーしています。
どちらか一方を選択せよと言われたら、個人的には後者をお勧めします。

いずれの検査でも、生体のメチレーション代謝についての洞察を深めることができます。

検査結果という客観的データから摂取すべき栄養素が把握できますし、
行き当たりばったりで治療するのではなく、
5-MTHFはどのくらい摂取した方が良いのか、どの程度メチレーション亢進させるべきなのかに
ついてより中立的な視点から治療計画の道筋を描くことができます。

 

この分野に関して見識のある医師であれば、過剰なメチル化によってがんが誘発されてしまうこと
を知っているはずですし、反対にメチル化が極度に抑制され過ぎていてもがんが発生します。

MTHFR遺伝子変異に対する治療効果を確認していく上で、
メチレーション検査の分析結果を常に念頭に置くというのは非常に大切なことなのです。

 

ドクターの中には、患者が何ら症状を呈さず、MTHFR遺伝子異常による兆候もないし、
ホモシステイン値も正常範囲なので、メチレーション検査やサプリは不要だと考える人もいるようですが、
私はこのような意見には大反対です。

 

A1298C ヘテロ/異型接合体の人が50%以上も存在しているくらい
MTHFR遺伝子変異がこれほど普及している状況の中、
MTHFR遺伝子変異がないかを調査するためのメチレーション検査は、
妊娠・出産前ケアとしても必要不可欠なものであると声を大にして言いたいと思います!

 

また、一般人に対する効果的なサプリメント処方という観点からもこうした検査は有用だと考えます。

活性型5-MTHFやL-5メチルテトラヒドロ葉酸(L-5-MTHF)、活性型メチルコバラミンを
遺伝子変異の有無も考慮せず、何の気なしに妊婦や患者に処方しているケースもあるようですが、
多くの国民の健康管理のためにもこうした情報は活かされるべきと思っています。

 

さて、私の意見については賛否両論あるでしょうし、
多様な考え方、価値観、意見を交換しながらディスカッションすべき事柄だと捉えています。
忌憚なき意見をお寄せ下さい。
コメント記載欄(英語 原文サイト)
http://mthfr.net/mthfr-screening/2011/09/29/

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