メチル葉酸を摂取したら逆効果? -メチレーションはバランスが大切-

Taking Folate and Feeling Badly?
Methylation Requires Balance
 より
http://mthfr.net/taking-folate-and-feeling-badly-methylation-requires-balance/2011/11/15/

 

葉酸(人工物)やメチル葉酸といった種類に限らず、何らかの葉酸を摂取すると返って体調が悪くなる人が多いようで、実際に多くの患者さんからそうしたご質問やご相談を受けます。

 

MTHFRに遺伝子変異があるのに、どうしてメチル葉酸の効果が裏目に出てしまうのでしょうか?

MTHFRに遺伝子変異がある人やホモシステイン値が高値の人、
特にMTHFRホモ接合の人であれば、本来ならメチル葉酸は奏功すべきなのですが…
なんだか納得いかないですよね。

 

副作用があったとする声が多かったため、リサーチを重ねながら、代謝経路をもう一度見直してみたところ、どうしてメチル葉酸やメチルコバラミンといった葉酸類で具合が悪くなる人が出てしまうのかその原因を突き止めることができました。

 

因みに、ここで私がメチル葉酸と言っているのは
「5-MTHF(5-メチルテトラヒドロ葉酸)」や「 L-5-MTHF(L-5-メチルテトラヒドロ葉酸)」のことです。

 

折しも、このメチル葉酸のトピックに関して、患者さんから本質を突いた質問を頂戴したので、ここでシェアしたいと思います。

 

質問:
私の夫はMTHFRヘ複合ヘテロ接合体ですが、フォレートのサプリを摂取すると悪反応を起こしてしまい、
フォレートの点滴中はものすごく体調が悪化してしまいます。

*複合ヘテロ接合体:
ある個体のゲノムを構成している特定の対立遺伝子の組み合わせが異なる場合、その個体をヘテロ接合、または、異型接合体と言う。
疾患の原因となる変異を有する遺伝子において、保因者である父親と母親の双方から異なる変異を伝達された(継承した)個体を、特に複合ヘテロ接合体(compound heterozygote)と称す。

代謝に詳しい神経学の専門医にも相談していますが、夫がフォルビック(Folbic:葉酸サプリ)にこうした不良反応を示すのか理解できず、主治医も困り果てて、治療が進めずにいます。

 

回答:
こんにちは!

ご主人の件、お話を共有して頂いてありがとうございます。
ご相談の内容ですが、こういう状況はよく見らられることです。

治療においては、「どのMTHFRに遺伝子変異があるか」を認識することが極めて重要です。

ご主人のケースだと、L-5-MTHF(L-5-メチルテトラヒドロ葉酸)の摂取はお勧めできません。
この方にL-5-MTHFを与えると、症状は更に悪化してしまうでしょう。

 

症状を伺う限り、先ずは他の対策を講じる必要があるようです。

奥様ご自身とご主人の家族のMTHFR検査を実施して下さい。
冗談かと思われるかもしれませんが、真面目な話です。

ご自身や夫の家族のMTHFRを検査し、
治療が必要な遺伝子変異が無いかを特定するまでは妊娠は控えた方が良いでしょう。

 

MTHFRの検査を受けるのが難しいようであれば、私のサイトから検査申込みすることも可能です。
検査は承れますが、診察や治療は行いませんので、検査結果を踏まえて主治医とご相談下さい。

 

さて、ここでは、アドバイスだjけしますね。

メチレーションの増加は神経症状を引き起こす場合があるので注意!

下記の文献を見てみて下さい。
—————————————————–
ラット脳組織へのSMAe過剰投与による黒質退歩とチロシンヒドロキシラーゼ枯渇の検証
-メチル化異常更新に伴うパーキンソン病発症の仮説の裏付け
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7888091%20

メチレーションは加齢と共に発現上昇する。

パーキンソン病はその加齢と大きく関係する病気だが、パーキンソン病の症状は、
急速な老化現象に伴う神経学的、機能的変化と非常に似通っているところが多い。

メチレーションにおける生化学的化学反応や振る舞いの変化、メチル化の亢進は神経組織を退化させると考えられており、今回のマウスによる実験結果からも、SAMeを引き金とした身体構造上の変異は、パーキンソン病が発症した際の解剖学的変質と類似していることが確認されており、SAMe依存性のメチル化亢進による一連の誘発を裏付けるものとなった。

—————————————————–

—————————————————–
SAMeの脳内投与に伴う線条体ドーパミンの枯渇、振戦、運動機能減退:
パーキンソン症候群における高メチル化現象の潜在的影響
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8748929

メチル化の亢進によりドーパミン、ノルエピネフリン、セロトニンが大量消費され、
アセチルコリンの作用が相対的に優位となるため運動機能減退と振戦が引き起こされる。

こうした現象はパーキンソン病患者でも観察され、興味深いことに、加齢に伴う異変とも共通するところがあり、メチル化亢進はパーキンソン症候群を誘発している可能性が考えられる。

これを受けて、ラットを用いた実験で、脳におけるメチル化上昇に伴う影響が調べられ
メチレーション経路での制限要因となるS-アデノシルメチオニン(AdoMet=SAMe)をラットの側脳室に投与すると、パーキンソン症候群で確認されるのと類似した行動変化を示すことが確認され、AdoMetは振戦、筋固縮、運動機能減退、ドーパミン枯渇を引き起こすことが判明した。

*制限要因:ある事象や現象、働きが複数の要素の影響で起こる場合、その全体の働き方を決める要素のこと。
—————————————————–

 

仮にご主人のSAMeが上昇している場合、容態は悪化している可能性が考えられると思います。
特定の食品に対する反応が芳しくないと書かれていたことを踏まえても、メチオニンレベルと同様にSAMeの値も増えていると推察されます。
因みに、お食事に関する事柄は治療においてとても有益な情報になります。

SAMeはメチオニンから生合成されます。メチオニンを多量に含んだ食品です。

  • ヘラジカ
  • 鶏肉
  • 七面鳥

 

生化学的代謝経路を思い出して貰えれば分かりますが
こうした食品を摂取した時にご主人の体調が悪化してしまうのは理にかなっていますよね。

こうした状況でご主人にメチル葉酸やメチルコバラミン、葉酸を与えてしまうと、彼のメチレーションは亢進してしまいます。

 

個人的な憶測ですが、ひょっとしたら、ご主人はビタミンB6とマグネシウムを摂ると気分が良くなることが多いのではないでしょうか?

葉酸サプリを一旦停止し、代わりにビタミンB6とマグネシウムサプリを摂取してホモシステインを下げる方法を主治医の先生に相談してみて下さい。

Magnesium Plus のサプリには、活性型のB6とマグネシウムが含有されています。
1日2回、2錠ずつ飲んでみて下さい。

代謝システムにおいてビタミンB6はとても重要です。
B6であるP5P( ピリドキサール5リン酸)は、ホモシステインを生体に必要な他の栄養素へと変換してくれます。

  1. タウリン
  2. システイン
  3. 硫酸塩(硫黄化合物)
  4. グルタチオン

ですので、ビタミンB6が不足していると上記の栄養素を体内で十分量作りだすことができなくなってしまいます。
特に神経障害を抱えた患者さんでは、神経の機能維持や酸化ダメージからの保護作用に欠かせない栄養素ばかりですので早急な対処が必要です。

 

症状やお話から察するに、ご主人はP5Pも低値になっている可能性があるでしょう。
非活性型のビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)を活性型のビタミンB6(ピリドキサール5リン酸)に変換する遺伝子にも変異があるため、代謝が阻害されているのかもしれません。

 

先ずは、1日2回 20mgのナイアシンを摂取して様子を見て下さい。
今は葉酸系サプリを摂取しているので、体内でメチル基の合成が促進されていますが、
ナイアシンの投与で余分なメチル基を”使い果たす”と副作用は消失するでしょう。

 

この対処法でご主人の症状がどう改善したか、後で知らせて下さいね。

将来的には私の会社(Seeking Health)で販売しているL-5-MTHFHomocysteXの摂取も検討なさっても良いかもしれませんが、今のところは必要ないと思います。

 

■質問に対する回答のおさらい

  1. メチオニンを含んだ食品は控える!
  2. ビタミンB12と葉酸サプリを停止するよう今すぐ主治医に相談する
  3. P5Pサプリでホモシステイン値を下げる
  4. 20mgのニコチン酸(ナイアシン)を1日2回~3回 1週間摂取して余分なメチル基を抑える

 

直接私が診断、治療、処方することはしませんので、お役に立てる参考情報としてアドバイスしました。
引き続き治療を頑張って下さいね!

ベン・リンチ

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ