麻布なかすじデンタルクリニック

「水銀に対する感受性は個人差が大きい」

アマルガム除去の診察から除去、除去後のフォローについて教えてください。

歯科でアマルガムが入っていることを確認されたら、除去するまでの注意事項としては、水蒸気化しないようにガムを噛まない、酸味があるものとか熱いものを食べないこと、ヘム鉄とか酵母系とか得体の知れないサプリメントを摂らないことをお願いしています。

また、除去した当日、翌日、1週間は良くも悪くも免疫が変動しますので、アレルギーを持つものには近づかないとか、仕事のスケジュールを過密にしないとか、体に負担をかけないようにお願いをしています。除去したことによってすぐスムーズに改善する方もいれば、一度免疫が落ちて体力とか症状がマイナスに出る(好転反応)方もおられるので、除去をすると決めたときから良質の乳酸菌を大量にいれて、腸内環境をいい状態に底上げすることを前準備としてお願いしています。

アマルガムを除去した直後、防護を外した瞬間から「先生、もう劇的に変わって楽になりました」という患者さんもいますし、一週間ほど体調不良が続く方もおられるのですけど、たいがい一週間から長くても2週間後には体調は改善しています。そこは、患者さん自身のもって生まれた解毒能力(DNA)だったり、水銀に対しての感受性だったり、個人差が大きいようです。ですので、取ったら必ず改善するとか過度な期待は持たせるようにはしていません。そういう方がいるということは情報としてお伝えしていますが、あなたがそれにあてはまるかはわからないと説明しています。

アマルガムを除去した後は、せっかく水銀の供給源を絶ったのですから、体外に排泄できる体質改善をされると良いです。それは、生活習慣、食生活を根本から見直すことですので、ご本人のご意思が決め手になります。病を寄せ付けない意思と心の準備が必要です、そこからは患者さん自身のやる気スイッチが入ったらお付き合いしますよ、とお声をかけています。


「水銀は猛毒。体内に入ってすぐに症状がでなくても、じわじわ体を蝕むもの。リスクをわかっていながら無防備に取ってしまおうというのは言語道断でやめたほうがいい」

防護せずにアマルガムを除去した場合のリスクについて教えてください。

アマルガムを防御せずに除去した場合ですが、除去翌日に全身湿疹が出て体調不良で外出出来ずに一か月の間、苦しさでもがき苦しんだと言う患者さんがお見えになりました。この様にすぐ症状がはっきり出られる方もおられれば、なんのご自覚もない方もおられます。

ただし、水蒸気化した水銀は確実に、確実に体内移行をしています。水銀は脂肪が大好きです。脂肪があるところと言えば、一番が脳です!最近、もの覚えが悪い、霧がかかったようにもやもやする、何だかすっきりしない、頭痛がするなどなど多岐に及びます。

また、タンパク質の中の潜り込んで悪さもします、それは、体内の触媒である酵素を使いものにならないタンパクに変化させてしまうと言う事です。その為、消化、吸収、解毒、排泄など本来の機能力を失います。生きていく能力がじわじわ減っていくのです、慢性疾患まっしぐらです。

また、原因不明と言われる疾患、つまり自己免疫疾患と呼ばれるリュウマチやシェーグレン症候群も水銀が関わっています。さまざまの疾患を忍びよせてしまう水銀、一旦体内に移行したら、追い出すのは大変な時間と心身共に多大な労力と治療費がかかります。


「一生の事です。また、子どもに精子や胎盤を通じて世代を超えて引き継がれるこの水銀問題。慎重に除去して欲しいと思います。」

ですので、「不用意にアマルガムを除去しないでください!」と声を大にしてお伝えしたいですね。アマルガム一個を不用意に取っても大丈夫だと言って、残りのアマルガムも不用意に取らないでもたいたいです。水銀蒸気が体内に移行している様子は見えません、だから怖いのです。

目で水銀が体内に吸い込まれている様を見ることが出来るなら、また、自覚症状が全員に瞬時に現れるなら、すでにこのアマルガム問題は世界中に周知の事実になっているでしょう。万人に瞬時に症状が現れないから、水銀蒸気が目に見えないからここまで放置され、蓋をされて来たのです。あなたはこの事実を知っても、不用意にアマルガムを除去したいですか?

一生の事です。また、子孫に胎盤を通じて世代を超えて引き継がれるこの水銀問題。慎重に除去して欲しいと思います。費用も保険外となり負担がでますが、水際で災難を防ぐ行為です。

アマルガム除去のご経験がお有りになる先生が、ご紹介の患者さんに、「アマルガム除去をする先生も命がけで行っているのだから、除去の費用はお安いもの・妥当ですよ。」と説明くださったようです。保健が利きませんので、決して安価ではありませんが、体を水銀に乗っ取られてしまった後の人生のリスクを考えてみて欲しいと思います。

私は、運命共同体として組める患者さんしかアマルガム除去をお受けしていません。毎回、水銀蒸気が私の顔めがけて飛んでくる中、命を懸けて真剣にアマルガム除去を行っています。ですので、患者さん自身が何故アマルガム除去をするのか?また除去時の蒸気を理解して頂き、息を一緒に止めて水銀と闘わなければ最良の環境での除去はあり得ないのです。

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完全防護の中で行われるアマルガム除去


「首、肩のこり、眼精疲労、胃腸障害、ぼうまん感、子宮頸の問題、水虫、頭痛、掌蹠膿疱症、貧血などが改善されています」

歯科領域での改善疾患例と、それに付随する全身領域で改善した症状の例を教えてください。

アマルガム除去をして、特別にキレーション(体内に溜まった重金属を排泄する治療)をしなくても、症状改善をなさる方も多くいます。例えば、「顎が楽になった」「ドライマウスが良くなった」「ごはんが美味しい」「朝起きると頭も含め体が軽い」「お口の中が冷めた。今思えば、熱を持っていて電子レンジのようだったかも」これは、銀歯やアマルガムなど異種金属が2種類以上あれば唾液を介して電流が流れる訳ですから、患者さんがおっしゃる体感は当たっておられます。

口腔内以外では
「よく言い合わらせないが、体全体が楽になった」
「首こり、肩こりがひどく以前は週に一回は鍼やマッサージに行かないと具合が悪く吐き気があるほどだったが、今は楽になり、マッサージなど行っていないよ。」など嬉しい報告がありました。

水虫が治った例もあります。頭痛の改善もあります。掌蹠膿疱症が消えた例もあります。ぶつぶつが治ってきているとか、忘れた頃に「そういえば、これも良くなっています」と教えてくださる患者さんもいます。アマルガムがなくなると貧血症状が改善されます。酸素運搬能力が改善されますので、じわじわ効いてきます。一般に3ヶ月で細胞が入れ替わると言われていますから、そういうスパンで体調の変化を見るよう患者さんにはお話しています。



「信頼関係ができていない初診時点でのアマルガム除去は避けたい。「運命共同体」としての関係性ができていないと、完成度が落ちる原因になります」

逆に失敗例と、その反省があれば教えてください。

医科ドクター紹介の患者さんで「海外赴任が決まり時間がないから、とにかく早く除去したいので初診でお願いしたい。」とのオーダーが入りました。ご事情も配慮し、特別にお受けしたことがあります。

ところが、初診当日には問診は書いていらしてない上に、アマルガムは悪いから取って貰った方がいい、と言う情報しかご存じなく、全く安全なアマルガム除去の意味を水銀の怖さもご存じない患者さんでした。
余裕を持って確保していた診療台も、全く始めから水銀とは、アマルガムを安全に除去する意味とは、、、などと説明していくと時間が押し迫り、呼吸を止める意義や協力体制が完成しないまま時間はどんどん迫ってきます。

結局、患者さんは閉所恐怖症と開口障害でアマルガム除去は延期となりましたが、これを機に初診では絶対に除去のご予約はお受けしないことにしました。

たった一度の除去で、これから先の人生を左右するアマルガム除去、本当に慎重に全力で対応しています。取る側、取られる側の両方がしっかり水銀の怖さや方法を理解し協力、信頼し合わなければ、最良の結果は出せません。その方の人生を背負う重大な仕事だと思っているので、慌てながら心落ち着けることなくこの治療は出来ないですし、してはいけないと思っています。


大活躍の水銀メーター

画像の説明

業務用の水銀測定器(水銀メーター)が毎日、大活躍しています。患者さんにいくら水銀蒸気の説明をしても、他人事のように感じているうちは本気になりません。そこで、この水銀メーターの出番です。
患者さんの口腔内に入っているアマルガムに擦りながら反応を待つと、「ピー!ピー!」とクリニック中に鳴り響きます。
本の中、DVDの中の事ではなく、ご自身の問題なのだとご自覚が出ます。このサイレンは、炭鉱内で人間が生存するには危険な水銀濃度を知らせる濃度になると鳴ります。
そんな高濃度が口の中にあるとわかったら、本気にご自身の体を見つめなおしてくださいます。その後は、ご自身が決めることです。



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